取り組む分野を選んだら、次は「解決すべき問題」を探します。
サービスづくりの本質は、基本的に「〜しにくい」「不便」「もっと便利にできる」などの問題を解決することだからです。問題を発見して、どうやって解決するか考えましょう。その解決策こそがサービスになります。
でも、どうやって問題を見つけるのでしょうか。
問題発見能力は、問題解決能力と同じくらい重要なスキルです。方法はたくさんあるのですが、ひとまず下記の2つを実践してみてください。
- 観察する
- ヒアリングする
まず大事なのが「観察」です。これが、ほとんどすべてなような気さえします。
自分が取り組むと決めた分野の人たちが持つ「行動・感情・思考・文化・傾向・環境」など、とにかく徹底的に観察してください。
そして「トレンド」と「問題」を、とにかくたくさん、深く考えずに気づいたことを「数重視」で書き出すのです。
トレンドのリストアップ
今すぐにでも観察しやすいのはtwitterのタイムラインです。キーワードやハッシュタグで検索をかけたり、分野に属する人をフォローしたり、その分野におけるインフルエンサーの発言を分析したり、優先的に情報を得られるようにしてください。タイムラインを観察しているだけでも、かなり観察できる情報が落ちています。
さらに、直接、誰かに会ってヒアリングも重ねれば、大まかなトレンドが見えてきます。例えば、僕らの扱う「仕事」に対する「興味やトレンド」はこんな感じです。
- 会社に依存するのではなく副業で稼ごう
- 副業を推奨し、副業をOKしていない会社は昭和的
- 嫌なことからは逃げて心をまず守る
- 残業を敵視してブラックかそうでないかで会社を選別
- 働き方は柔軟な方が近代的で支持される
- 体育会系マインドは流行らない
- ライフワークバランスを重視
- やりたいことや目標は持っていないことが当たり前
- 1つのことを追求しない
- 広く浅く様々な知識や経験を手に入れて組み合わせる
- 大きなことを成し遂げる意欲はない
- 半径5メートルの人たちと幸せに暮らせればそれでいい
ざっくりタイムラインを観察していると、こんなところでしょうか。こうした時代のトレンドや考え方は各ジャンルに存在しているものです。
トレンドを把握しながら、みんながどんなことに不満を抱いているのか、そして何を問題にしているのか見けていきます。
こうした作業は、元からよく知っている分野であれば1日でリストアップできます。しかし、知らない分野であれば数週間かかることもあります。とにかく数重視でどんどん書き出していってください。
もう一度いいますが、深く考えずにとにかく気づいたことを徹底的に書き出すのことが重要です。絶対に深く考えずに直感的に数を書き出してください。
問題のリストアップ
問題のリストアップに関しても一緒です。とにかく深く考えてはいけません。観察していて気づいた解決すべき問題を、徹底的に数多く書き出してください。直感的に気づいたことで大丈夫です。例えば、僕らの扱う「仕事」の分野でピックアップすると、こんな感じになるでしょうか。
- 生産性の向上や効率化が全然できていない
- 給料がまともに上がる人事評価制度がない = 給料が上がらない
- ライフワークバランスを重視したいが難しい
- 本業はやめないまま副業で稼ぎたいが方法分からない
- セクハラやパワハラが未だにある
- 社内の人間関係が上手くいかない
- 会社の外で自分の価値がどれだけあるか分からなくて不安
- 自分の仕事が技術で代替されないか不安
全然まだまだありますが、上記は「観察」と「ヒアリング」からリストアップした問題や不安です。実際にTwitterのタイムラインや、仕事をする人たちの観察、そして直接ヒアリングしてリスト化しました。こうして問題を見つけ出すことができます。
もし観察とヒアリングをしても、なかなかリストアップできない場合は、そもそも観察力と問題発見能力が、まだ自分の中で未開拓の領域なケースもありますが、多くの場合、対象分野に対する理解不足です。
対象分野に大しての理解が深まっており「何か問題がないか」見つける姿勢を常にもっていれば、何かしら情報や気付きが集まってくるものです。理解が浅い場合は、何をユーザーが求めていて何を問題だと思っているのか、なかなか気づくことはできないでしょう。そんな時は、改めて対象分野の中に戻り、もう少し時間をかけて自分の決めた領域への共感を深めてください。
なお、共感や問題発見能力と観察力は、サービスを作る上でももちろんのこと、新しい領域を開拓し続ける必要のある今後の社会において、確実に必要なスキルになってきます。今のうちに習得しておきましょう。