コンセプトの検証が完了したら、今度は「事前登録」の準備に入ります。
事前登録では、LINE公式アカウントを使います。告知用のWEBサイトを1ページ用意し、そこでサービスやプロダクトの説明をして、ほしい人はボタンのリンクから、LINE公式アカウントに登録してもらうのです。そして、最初の公開時はLINE公式アカウントだけで行います。
事前登録とは、簡単に言うと「本当に欲しいと思ってくれる顧客をLINE公式アカウントへ誘導する段階」になります。
なぜ、こんな回りくどいことをするかと言えば、最初はサービスのクオリティも低いためです。これから散々アップデートして、クオリティをあげていくわけですが、その前に拡散されてしまっては、みんな残念に思ってしまい、離脱されてしまうでしょう。サービスの評価も下がってしまいます。
特に、年額、月額のサブスクリプションの場合「継続してもらうこと」と「よかった」と言ってもらうことが最も大事です。質の低い状態で拡散されても解約率が高くなるだけで、いいことありません。なのでLINE公式アカウントに登録してくれた顧客にだけ、先に公開するのです。
LINE公式アカウントに登録してくれる顧客は、ほぼ確実に「忍耐強い」顧客です。ファンとも呼べる方々なので、非常に大切な一方で、少し質が低くても「最初だし仕方ない、アップデートがんばれ!」という姿勢で参加してくれる顧客も大勢います。寛容なファンがいるからサービスは成り立つのです。
そういう意味もあって、とても大切にしなければなりません。一生、事前登録限定価格で提供しましょう。ご飯会や交流会を開くなど、コミュニティを提供してもいいですし、特別なサービスを提供しても良いです。
では、事前登録ページづくりに入るわけですが、このページ、非常に重要な役割をいくつも持っています。
事前登録ページはサービスの説明資料であり、プロトタイプでもあります。どんなサービスなのかをダイレクトに伝え、質を伝えるものです。初めてサービスの全体像を公開し、直接的な反応が知れるタイミングにもなるでしょう。サービス公開した時は、事前登録ページがそのままトップページにもなります。だからこそ、突き詰めて考える必要があるのです。
なお、現在のSTARTOUTトップページは、かつて、事前登録ページでもありました。当時は、ボタンやナビゲーションの文言が「ご登録はこちら!」ではなく「事前登録はこちら」になっており、LINE公式アカウントの登録URLにリンクされている、という形になっていました。全体の構成としても、作り方の参考にして頂くと良いとおもいます。
STARTOUT
https://startout.work/
こうして導線をつくり、少しずつLINE公式アカウントにユーザーを増やしていったのです。事前登録の反応で、はじめてリアルなユーザーの興味度合いがわかるので、ここはしっかり考え尽くして作りましょう。
事前登録ページのポイントは、下記の構成要素を用意することです。1つの項目も抜かさずに、内容を用意してください。
- ヘッダー – ナビゲーションやボタン、ロゴ、サービス概要
- メインビジュアル – キャッチコピーと登録ボタン
- ユーザーの抱える問題のピックアップ – 自分ごとにする
- 解決策の提示 – サービスの内容
- ユーザーの声 – βテストの時に集める
- 専門性 – なぜ問題を解決できるかの根拠と質の裏付け
- ビジョン – 商売感を無くす
- お願い – 今は未成熟で徐々にアップデートしてくことを伝える
- コンバージョンエリア – コピー ( 今だけ限定半額であることを伝えて背中を押す内容も入れる ) と登録ボタン
- フッター – ナビゲーションとコピーライト
STARTOUTの構成と見比べて確認してみましょう。この中の1つでも抜ければ、登録率は下がると考えてください。特にメインビジュアルの「キャッチコピー」は重要で、3秒でそれが何のサービスなのか把握できるようなキャッチコピーを作る必要があります。売上の大半はコピーから生まれると考えてください。
試しに、先程の「稼ぎ方の最新データベース」サービスで作ってみます。ちなみに、このサービス、文章をまとめている間に作りたくなってきたので、つくることにします。笑
- 最新ビジネス手法、全部まとめて把握しよう。- キャッチコピー
- 副業したい。起業したい。でも方法が分からない。 – 抱える問題
- 興味あるビジネスを探そう。あとは行動するだけ。- 機能全紹介
- ユーザーの声は後で
- 売却経験のある起業家やVCが徹底監修 – 専門性
- すべての人が副業・起業できる社会へ – ビジョン
という感じでしょうか。あとは実際にWEBサイトを1ページ作って、内容を作り込み、事前登録を開始すれば良いのです。もし開発スキルが無い方は、学ぶか、誰かに作ってもらってください。
ただ、最初は高速でアクセスを解析して更新していきたいので、パートナーを作るとしたら、相当柔軟に動いてくれるパートナーが必要だと思います。
ちなみに「開発」という言葉を使っていますが、これは別にプログラミングだけを表すわけではなく「分野は関係なく、何かしらのサービス内容を考えること、提供できる状態にすることのすべて」を意味して「開発」と呼んでいます。
また、この時点から具体的にサービスやプロダクトを作りはじめましょう。プロダクト開発で気をつけることに関しては「10」に書いてありますので、参考にプロダクトづくりをはじめてください。
事前登録から、長時間ユーザーを待たせるわけにはいきません。待たせたとしても、1ヶ月〜2ヶ月です。それ以上、リリースまで待たせないように、出来る限り高速で「売れる状況」にもっていきましょう。
事前登録を開始するまでに、サービスやプロダクトを提供できるまで、完成状態を10割とすると、大体6割を終わらせておくと良いですね。
さて、事前登録ページが出来たとしても、まだここでリリースではありません。まず、周りの人に見てもらってください。知人や友人で、ユーザーの属性に近い人を探しましょう。そして、作った事前登録ページを送って確認してもらってください。確認する際のチェックポイントは下記です。
- インパクトがあって印象に残ったか
- わかりやすく、すぐに理解できたか
- 値段は高いと思ったか、安いと思ったか
間違いなく、この3つを満たすように意識しましょう。僕はこの3つを「ゴールドリスト」と読んでいます。ゴールドリストに対する返答が、下記の内容になるまで、延々とヒアリングと改善を繰り返してください。
- インパクトがあった!印象に残った!
- わかりやすかった!すぐ理解できた!
- 値段は安いと思った!
このように返事をもらえたサービスは、初速が伸びやすくなります。欲しいと思ってもらえます。なので、友人や知人の間で仮説検証と改善を回して、ここまで持っていけるかどうかが、最初の勝負です。ちなみに、改善する際のポイントとしては、下記を意識してください。
- インパクトが無い場合、ほぼキャッチコピーが悪い
- わかりやすく無い場合、キャッチコピーが悪いか、ごちゃごちゃしてる。
- 値段が高いと思われる場合、説明不足か値段設定が適切じゃない。
50%の原因は、ほぼキャッチコピーにあるんですけどね。笑
上記のポイントおよび理由を意識して改善していくことで、かなりブラッシュアップできるはずです。1人見てもらったら修正し、また次の人に見てもらって修正し、とたくさんの人にバトンを回すように確認してもらいましょう。
そして、印象に残る、わかりやすい、安い、と言わせてください。値段設定は、世間の価値観が自分の想定よりも高かったり低かったりするので、徐々に「安い」と言われる領域まで調整していきましょう。または、徹底的に詳しく説明することで、価値を伝えてください。大抵の場合、それで価格はあげられます。そこまでクリアしたら、いよいよSNSで公開です。