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実績ゼロから「100万円」もするスクールを作り、満員にした方法

ブログ|2020年06月27日

2020年06月27日
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スクールと言いながら、スクール以外にも、役立つ事例かなあと思っています。コミュニティやサロンのような事業形態はもちろん、その他、直接対面でクロージングする、ある程度高額なサービスをしようと思っている方は、ぜひ参考にしてみていただければ幸いです。

数年前、まだ自分自身のサービスをほとんど立ち上げたことがなかった頃、IT留学という事業をセブ島で立ち上げました。結果的にその事業は成功したのですが、よく尋ねられる質問に「誰かに技術を教えた実績も無い段階で、どうやって海外留学事業を立ち上げ、20万円から100万円もするサービスを満員にできたのか」というものがあります。

IT留学とは、英語とWEB制作をセブ島で学び、グローバル人材を目指すという事業です。今でこそ複数のIT留学事業が存在していますが、僕が始めた当時はまだそれほど多くありませんでした。

IT海外留学事業を初めて立ち上げた時、僕はWEBデザイナーでした。WEBデザイナーとして制作会社を立ち上げ、事業そのものは3年継続していたものの、教育事業をやったという経験はありません。実際、教えた経験さえなかったので、事前にストアカというプラットフォームで教える経験を積み、練習してセブ島に行ったくらいです。

そんな状態でIT留学事業を立ち上げたのにも関わらず、事業を立ち上げ、初月から満員状態。いきなり数百万円の売り上げを出すことができたのでした。それ以降は、実績も生まれたので評判は口コミで広がりましたし、Facebook広告を中心とした発信とマーケティングのみで、継続的に売り上げを出すことができました。

でも、一体どうやって「実績の無い状態から最初の顧客」を集客し、事業を軌道に乗せることができたのか、疑問に思われる方も多いのではないでしょうか。誰もが通る道ですが、最初に事業をスタートさせる時は、なんの実績も無い状態から事業を軌道に載せなければなりません。

今回は、誰もが通る道である「実績が無い状態からどうやって最初の顧客を獲得し、事業を軌道に載せていくのか」について、実際の体験を元に、ご説明していければと思います。

なお、今回の成功要因に関しては、これまで何度も振り返り、何度か試してきました。結果的に、同じように実績ゼロの状態 ( 前の実績を何も書かない状態 ) から顧客を集める、ということに成功しているので、再現性はそこそこあるかなと思います。これから事業を実績の無い状態から作ろうとされている方は、ぜひ、参考にしてみてください。

目次 – 13,233文字 :

  • どうやって事業のアイディアができたのか
  • 実績が無い状態からどう実績をつくるか
  • 意見を元にした事業の改良
  • 実績ゼロからの集客プラン
  • 実績ゼロから最初の顧客が決まった瞬間と流れ
  • 2期目以降の集客について
  • 実績ゼロから集客する方法のまとめ

どうやって事業のアイディアができたのか

当時、WEB制作一本で事業を作っていたのですが、仕事が増えすぎて、忙しくなってしまっていました。ほぼ2日に1度、黙っていても仕事が来る状況で、なんとかリソースを捻出して制作を続けていたのです。

ただ、僕自身がやっていたWEB制作は、1人でマーケティングの戦略から制作まで行うもので、なかなか同じように動ける人材がいません。かと言って、少人数のチームで仕事をしたかったので、マーケターとクリエイターをバラバラに雇うことも考えていませんでした。

そこで、せっかくなら自分で「同じことのできる人材を育成しよう!」と思い、スクール事業を考え始めたのでいた。なので、コンセプトはWEB制作だけではなく、ビジネスやマーケティングも合わせて伝えていくことにしたのです。

WEBとビジネスやマーケティング。これらのスキルがあれば、たった1人からでも事業を作っていけるので、欲しい人もたくさんいるんじゃないか、と仮説を作ったのです。そこで時代に求められるスキルとして、事業を初めてみることにしました。このように、最初は日本でスクールを始めようと考えていたのでした。

そんな中、出会ったのがフィリピンで不動産をやっているクライアントでした。WEB制作をお願いしたいと言うことで最初、依頼をもらったのですが、話をしているうちにスクールの話が盛り上がり「最近、フィリピンでもITを教え始めているところもあるから、フィリピンで英語と一緒に教えたら良いんじゃないか」とアイディアをもらったのです。

確かにこれからの社会、グローバル人材がもっと求められていくし、世界を目指す人も増えていくので、英語とWEB制作、そしてビジネスやマーケティングを総合的に教える場所は求められるだろうと思いました。こうして、事業アイディアが少しずつ固まっていったのです。

ポイント :
事業アイディアは、ある時突然閃くということは希です。様々な出会いや議論などを通して、少しずつ深まり、出てくるものなのです。だから、今持っているアイディアが凡庸なものでも問題ありません。継続と試行錯誤をしているうちに、少しずつ形を変えて、最終的な形になっていきます。アイディアがまとまるまでには、時間がそこそこかかるものなのです。

実績が無い状態からどう実績をつくるか

こうして、事業の大枠ができてきたものの、WEBサイトを作る段階になって、ふと気づきました。通常、WEBサイトを作る時は実績などを掲載するものですが、僕には何も実績がありません。WEBサイト制作の実績はありますが、教えた経験なんて1度もなかったのです。

そこで、まずは実績づくりをすることにしました。実績がないことに対して、多くの人が難しく考えがちですが、ただ無料か安価で提供すればいいだけの話です。それで、ある程度の実績はできます。

ただ、今回の場合、留学ですしコストもかかりますので、無料で提供するわけにはいきません。こういう場合は、いきなり大きくはじめずに、小さくはじめます。まずストアカという教える人と教わる人をマッチングするサイトで、自分の講座を開いてみることにしました。テーマは「WEBサイトの作り方」「WEBマーケティング」「両方を3日かけてやるプラン」です。しかも、かなり低価格で提供し、すぐに顧客を獲得できる状況にしたのです。

他のサービスや商品でもそうですが、実績が無い場合、同じコンセプトで規模を小さく、安く ( 無料でもいい ) して提供します。例えば「料理の宅配サービス」をするのであれば、最初から課金せずに、友達や知人へ向けて、無料で出してみたら良いのです。友達や知人が難しいならTwitterなどで集めてみてください。収益にはなりませんが、お客様の声と実績を集めることはできます。

通常、事業作りはいきなり大きく仕掛けるのではなく、プロトタイプを作って検証します。プロトタイプを提供しながら、少しずつ実績を集めていくイメージです。

あとは、とにかく数をこなし、場数を踏みます。僕の場合、週に5回ほど講座を開催して、毎回2名〜4名ほどの生徒さんを獲得できていました。それほど大きな収益にはなりませんが、ほんの1ヶ月もすると、教えた場数と「お客様の声」は集まっていました。もちろんネガティブな意見もありましたが、概ね好評だったので、これはいけると思いました。

そしてWEB制作やマーケティングの他に、英語を学べる留学があったらどうか、と聞いてみたところ「興味ある」「楽しそう」との回答がほとんどでした。このように、実際にユーザーさんと会って話をすることで「どうすれば興味を持ってくれるか」のヒントを少しずつ集めていきます。

さらに講座をすることで、事業の宣伝にもなるので一石二鳥、いや、一石四鳥くらいになりますね。意見ももらえて、実績も詰める。しかもお客様の声も集められて自分の練習にもなる。やらない理由はありません。もう、この時点からファンづくりは始まっているのです。

ポイント : 
実績がなければ、これからやろうとしている事業を「最小単位」まで規模を縮小した事業を、格安で提供しましょう。そこで「実績」「感想」「意見」を集めながら「宣伝」もします。これで実績はできてきますし、これから仕掛けようとしている事業への改善点や反応も見つかります。うまくいけば、事業の顧客になってくれるかもしれません。

意見を元にした事業の改良

こうして、いよいよ事業をスタートする基盤が整ってきたわけですが、まだ事業に対して作り込みが足りていません。実際、講座を通じて、たくさん意見をもらいましたし、価格も調整する必要があります。カリキュラムや具体的な1日の流れも、まだありませんでした。そこで、今まで集めた意見を元に、具体的な内容、申し込みの流れ、価格などを決めていったのです。主に考えたのは、以下のようなことです。

価格は適正か :

実績がこれまで無かったことを考慮して、他のスクールよりも安くしました。日本のスクールでもだいたい月に20万円かかりますので、僕たちは「住居込み」で同じ値段で提供することにしました。しかも英会話込みです。日本で学べば住居の費用を毎月8万円〜10万円前後払う必要もありますので、住居費用を込みにしただけで圧倒的な差別化になります。

この価格差はフィリピンだからこそ実現できたことで、非常にインパクトが大きかったです。それでもコストを最小にすることで利益を出すことはできました。価格差をうまく出せないなら、出せる状況や環境、仕組みを作ることが大切ですね。最近の稼いでいる企業は、かつて高額で提供されていたものを自動化して安く使えるようにした仕組みを持っている企業です。僕らの提供するWAREHOUSESTARTOUTなどは、まさにスクールを自動化して「低価格」にしたサービスですね。

実績ができれば、もちろん料金をあげていきますので、少しずつ事業の形は整っていきます。それよりも、未熟な状態にも関わらず、高額で提供して顧客も集まらず、ビジネスをブラッシュアップできない方が、よっぽど損失です。やはり価格は重要な判断材料です。実績が無い段階かつビジネスそのものを未熟なら、価格を下げて始めた方がクレームも少なくなります。

サービスに独自性を持たせる :

英会話を交えた独自のカリキュラムを作りました。何しろ、英語とWEB、そして事業デザインを同時に学ぶので、どんなカリキュラムになるのかイメージがつきづらいのです。

だからこそ、1日の流れとカリキュラムを最初から決めました。他にこうしたカリキュラムはなかったので、独自性として認知されやすかったです。やはり、自分のサービスでしか体験てきないものを作れば、始めたばかりであっても選択肢に入ります。

基本的には午前は英語、そして午後はWEB制作を学びます。一通り技術を学び終えたら、自分のサービスを作るか、または営業をして自分で案件をとるか、という流れを組みました。すべて完了するまで最低でも3ヶ月は必要ですので、3ヶ月滞在からとしました。

また、他のスクールが弱点として「学んだはいいものの、実践でどう使うかわからない」「学校で学んでも、結局実践で学びなおしになる」という理由から、スクールにいる間に実践してもらう方式を導入しました。このように、他の競合事業で実現できていない弱点を克服することも、独自性に繋がります。

おしゃれで楽しげに :

専門の業者さんに頼んで、特別にシェアハウスを作ってもらいました。やはりセブ島にくるのは、今でいうワーケーション ( 仕事×旅行 ) への願望もあるのです。勉強は必死に頑張りながらも、南の島で旅行をしたり、旅をしたりもしたい。だからこそ、シェアハウスはリゾート感が出るように内装を作り、WEBサイトは非常に楽しげな風景も合わせて掲載しました。

最初はみんなでわいわい楽しんでいるような写真もなかったので、わざわざ人を集めて撮りに行ったりもしました。今回の事業の場合、写真は「楽しそう!」「行きたい」と単純に思わせるために、大事だったのです。

こうした雰囲気づくりの効果があった事例として、かごのような椅子をおいただけで、申し込みが増える、というケースがありました。日本ではほとんど見かけないオシャレな椅子を導入するだけで、空間のアイコンとなり、記憶に残るようになります。大事なのは、記憶してもらえるアイコンをどれだけ作るかです。

時代の流れを捉える :

世界の人材と一緒に働く必要性が、日本にも次第に認知されきていました。また、ノマドの概念も浸透してきたころで、世界を旅しながら仕事をするノマドワーク的なライフスタイルへの憧れも高まっていたのです。

だからこそ、日本だけじゃなく、世界に出て働きたいという欲求に焦点を当てて、自由なライフスタイルも合わせて叶えられることを推しだしました。

特にセブ島はフリーランスやノマドワーカーが集まっていましたし、アメリカやカナダへ留学やワーホリに行くまでの、事前練習をする場所でもあります。グローバルに働ける人材、自由に世界中どこでも行き来して働ける人材、というトレンドを抑えました。

必要性を語る :

なぜ、英語とWEB、そしてビジネスを習得する必要があるのか、重要性を伝えました。単純な話なのですが、英語とWEBを学べば世界のどこでも働けるようになりますし、事業を学べば世界のどこにいても自分で自由に仕事を作り出せるようになります。

つまり、この3つを習得することで「世界を変える起業家」から「自由に旅しながら働くフリーランス」まで、グローバルに、場所も時間も関係なく理想を実現できるスキルが手に入るわけです。実際、今後の社会にとって、これ以上魅力的なスキルセットは、そうは無いとおもいます。

このように、様々な改良を加え、WEBサイトやパンフレット、事業を定義し直していきました。改良の方針については、先ほどもお話しましたが、講座で出会った受講者の方々から頂いた意見を参考にして決めました。直接、顧客の属性と近い方と会って、少しでも議論の機会を作ると、事業のどこを改善していけばいいかが分かります。

受け取った意見や提案の中から、ビジョンやコンセプトとズレが無いアイディアで、より良い事業になりそうなものだけ、ポイントを絞って反映していきます。売れない事業は自分の主観だけで作られたものです。自分が良いと思っても、顧客から見たら「欲しくならない」ことも多いのです。だからこそ、顧客とよく話すことで「認識のずれ」を合わせていきます。

スティーブ・ジョブズをはじめとした天才的な起業家は、これを本能的にできていたりするからすごいんですよね。自分主体で作っているようでいて、それこそ、多くの人が欲しいと思っているものだったりする。普通は、自分が欲しいと思っても、誰かから見た打ち出し方やブランディング含め、完全に欲しいとはならず、売れないケースも多いんですけどね。だからこそ、本当の天才でない限りは、よく顧客の話を聞くことが大事です。

ポイント : 
顧客(同じ属性を持つ人)の話を聞く機会を作り、徹底的に話を聞きましょう。議論に付き合ってもらったり、サービスの説明をして感想を聞いたりしながら、何を変更すればいいか、情報を聞きだします。ただし、集まった様々な情報は、すべて反映させるのではなく、コンセプトやブランド、基本的な方針が壊れてしまわないように、厳選して反映させましょう。

実績ゼロからの集客プラン

スタート地点よりはマシになってきたとは言え、まだまだ実績も無い留学に数十万円単位のお金を払ってくれる人は、そうはいません。そこで、集客プランを作り込むことにしました。

実績がほとんど無い状態でも、お金を払ってもらうにはどうすべきか。まずは、どれだけ今回の事業が、これからの社会にとって重要で、WEB制作と英語、そしてマーケティングのスキルが重要なのか、必要性を理解してもらう必要がありました。また、共感してもらわなければ、行動に繋がりませんので、心から共感してもらう必要もあります。

そこで、見込み顧客を時間をかけて、育てていくことにしました。まずはFacebookページとTwitterに、ユーザーを集客し、フォロワーをそれぞれ1,000人以上集めました。FacebookページはFacebook広告を使って集め、Twitterはコンテンツの発信と、こちらからフォローしていくことで、サービスを知ってもらったのです。

Twitterでこちらからフォローしていくことが無意味だと言われますが「フォローしてもらったので詳細を見たら面白そうだったし気になった」と言って参加してくれる人は、事実として大勢います。フォローしても反応がまったく無い場合は、むしろ「サービスや商品に興味を惹かれなかった」ということに他なりません。自分が面白い事業をしていて、面白いコンテンツを持っているなら、どんどんフォローしてみましょう。

あとは、ブログや呟きを、あらかじめ設計したストーリーに沿って書くことにしました。ただ、最初はどのように進めれば良いのかわからなかったので、試行錯誤したすえに、見込み顧客育成の基本フレームワーク「AIDMA」に沿って設計しました。流れとしては下記のようになります。

注意を引く ( Attention ) :
まず、ユーザーが興味を持ちそうな記事を書いて「注意」を引きます。例えば、WEB制作を学びたい人に対しては、WEB制作を習得する方法などです。

興味を持ってもらう ( Interest ) :
次に、今後の時代がどうなっていくかを書いて「興味」を持ってもらいます。これからの時代にどんな問題が発生するのかも書きました。

欲求を引き出す ( Desire ) :
そして、今後の時代に対応する人材を育てるという話で、僕らの事業の必要性を語ります。また、それがどんなに楽しい体験なのかも語り、参加したいという「欲求」を引き出します。

記憶してもらう ( Memory ) :
十分、欲求を煽ったところで、事業を近々スタートするという発表を行い、記憶に残してもらいます。少ししつこいかなと思うくらい発信しました。また、同時にビジョンや解決すべき問題もブログを通じて丁寧に説明して、本気度を伝えていきました。

行動してもらう ( Action ) :
最後は行動してもらうわけですが、具体的には募集を開始するということです。とは言え、いきなりお金を払ってもらうのではなく、個別説明会の申し込みからです。まず個別で1人1人会い、丁寧にサービス内容を説明しました。資料はWEBサイトとパンフレットがありましたが、正直、WEBサイトだけで十分でした。特に、WEBサイトで、行動を促すためにビジョンを徹底的に語りました。その内容が好きで気になったと言ってくれる人もたくさんおり、熱意そのものをWEBサイトにこめることで、他にはない人間味が感じられるサイトになっていたのです。だからこそ、1つの差別化としてたくさんの人が注目してくれました。

情報を配信していくことで、少しずつ興味を持ってもらい、時期をみて募集を始めます。すると、募集を始めた時にはすでに、何人かの顧客はすっかり僕たちに信頼感を持ってくれていたのでした。

その証拠に、実際に会って話をすると、高額にも関わらず、だいたい8割以上の方が「絶対に行きたい」と希望を出してくれました。ただ、お金が高額なため、両親の支援が必要になります。そこで一度話を持ち帰り、両親と話をして、申込書を書いてくれたのでした。

ポイント : 
もし最初から一気に商品やサービスを売りたければ、ストーリーを組んで、少しずつ顧客を育てていないと売れません。いきなり「やります!」と言って出しても、顧客は受け取る準備ができていませんから、なかなか反応してはくれないでしょう。あらかじめ、公開に向けて少しずつ信頼感と興味を勝ち取ってから、申し込みに繋げます。この過程が不十分だったり急ぎすぎたり、工程を飛ばしたりすると、初速はまず見込めませんので念入りに進めるようにしましょう。

実績ゼロから最初の顧客が決まった瞬間と流れ

最初の顧客は、講座からでした。やはり直接対面で教えたことがあるという接点は強く、講座で教えた人が興味を持って、行きたいと言ってくれたのです。ちなみに、まったく実績がないプロジェクトに対して、直接教えれば誰もが数十万円支払ってくれるかと言うと、そうではありません。そこにはもちろん「人を巻き込むためのコツ」があります。

みなさんは、イノベーター理論という考え方をご存知でしょうか? ビジネスが進むと段階別に顧客の属性が移り変わります。イノベーター理論とは、その顧客の属性とボリュームを段階別にまとめたものです。下記の図を見てください。

それぞれ、左からスタートし、ビジネスが進むにつれて、右へと顧客が移り変わります。イノベーター、アーリーアダプターなどありますが、これが顧客の属性を表しています。

  • イノベーター : 最初の顧客で新しい物好き
  • アーリーアダプター : インフルエンサーなどのトレンドリーダー
  • アーリーマジョリティー : トレンドリーダーのファン
  • レイトマジョリティー : みんなが使っているから使う
  • ラガード : 人に振り回されないタイプ

そして、通常はアーリーアダプターを攻略した瞬間に一気にシェアが伸び、売れるようになると言われています。なんとなく、実感としてイメージできる方も多いのではないでしょうか。

では、今回テーマにしている最初の顧客が誰かというと、もちろん左のイノベーターです。イノベーターを深掘りすると、下記のような特徴を持っています。

  • 新しいものが好き
  • 挑戦的でリスクを負う
  • 商品の内容はそこそこでもビジョンに惹かれる
  • みんなが知らないものを知っていたい
  • 最先端でいたい

こうした性質を持つ人に、人生で1度は会ったことがあるのではないでしょうか。新しい製品を数時間並んでも買いたい人や、みんなが知らないからこそ価値を感じる人。こうした人たちは一定数いるのです。

なので、僕は最初、イノベーター属性にターゲットを絞りました。最初の一歩を攻略しなければ、先には進めないからです。そこで、事業や募集用のWEBサイトをさらに改良して、イノベーター層が惹かれるようにしました。

  • ビジョンを徹底的に語る
  • 新時代、最先端、真新しさを打ち出す
  • 挑戦で人生が劇的に変わるストーリーを魅せる
  • 運営チーム自体が挑戦的であることを伝える

主に、上記に絞った変更です。情報発信も、上記の要素を含むことを徹底しました。すると「話だけは聞いてみよう」ということで、いくつか問い合わせをもらうようになり、相談の数が増えていったのです。そこでユーザーに、どうして問い合わせをもらえたのか訪ねてみました。結果、下記のような回答をいただくことができました。

  • 共感した
  • 真新しい挑戦に参加するのがワクワクした
  • セブ島に長期間住んでみたかった
  • 楽しそうだった
  • ちょうど、学びたい3つのジャンルが揃っていた
  • 価格が安かった

正直「価格が安かった」ことは、強かったです。価格が安ければ、新しい挑戦であろうが、実績がなかろうが、一度は話を聞いてみようと思うものです。また、南国で長期間滞在して今後の社会に必要なスキルを学べるという「ワクワク感」にも期待をしていることがわかりました。南国なので、それだけで「楽しそう」ですからね。

ひとまず、価格やワクワク感でとにかく会う機会を作って、あとはビジョンへの共感やワクワク感で人を引き込んでいくのです。コロナのご時世ではありますが、出来れば直接会った方が良いでしょう。Zoomや電話だけだと、伝えきれない空気があるので。

実際に会う機会を作って、信頼感を獲得する

WEBマーケティングだけでなく、実際に会って、じっくり話をすることができれば、購入してもらえる確率ははるかに高まります。先ほどもお話した通り、直接会って話をした人は、8割以上の確率で決めてくれていたのです。直接対面の信頼感は、実績の無さをカバーする強力な武器です。今回の場合、個別相談でしたが、何か交流会や勉強会といったイベントを開くのも良いでしょう。

なお、僕の場合は直接会う時に、スクールのことだけではなく、希望があれば人生相談にも乗っており、基本的な技術の概要も話していました。個別相談が簡単な講座的でもありました。なんでも聞いていいことにしていたので、勉強がてら、一度行ってみようということで、問い合わせをもらうことができました。普通の企業でも、営業のためにセミナーなどを開くことがあるかと思いますが、一緒ですね。

情報発信をして、丁寧に見込み顧客を育成する

ただ、8割以上の確率で制約できたのは、事前に見込み顧客育成を実施していたためでした。個別説明会で決めてくれた人は、話を聞きにくる前から参加を決めていたのです。行くことは決めていたものの、一応話を聞きに来ました、という人が大勢いました。事前にコンテンツ配信等で見込み顧客育成を実施していなければ、8割以上の確率で参加になることは、まず、なかったでしょう。

ビジョンを語って心を動かす

そして、最後の一歩として、実際に「その気にさせた」のはビジョンを語ることでした。サービスの質を伝えるのは当然ですが、サービスの質だけだと申し込みに対して、迷いや比較検討が発生するものです。行動するには、サービスが良いということ以外に、やる気にさせる何かが必要です。それが、ビジョンです。

人間が、行動しやすい時は、いつだと思いますか? それは、心を動かされた時です。心を動かされた時に人は、やっと重い腰をあげて、大きな挑戦に踏み出そうと思うのです。そしてビジョンには心を動かす力があります。

ポイント :
情報発信の段階で「楽しそう」「欲しい」「参加したい」などと感じてもらえるくらい、徹底的に情報発信を続けていきましょう。直接会うことで、さらに信頼感を得ることができますので、高額な商品を売る場合、そして実績が無い場合は、なるべく顧客と直接会って、説明するようにしてください。面倒ですが、確実に買ってくれる可能性が高まります。会った時には、サービスや商品の説明は当然ですが、何より心を動かして行動を促すことに集中しましょう。そのためには商品やサービスを購入して得られる、ワクワクする未来や、ビジョンを語ることが大切です。

2期目以降の集客について

こうして無事、第1期は満員となり、みんなでセブ島へ渡航することになりました。ただ、もちろんこれで終わりません。すぐに第2期の募集をスタートする必要がありました。通常、なんのプロジェクトにせよ、最初の集客よりも2回以降の集客の方が難しいとされます。ただ、僕たちの場合は2回目以降は実績ができていたし、リアルな体験談もたくさんもらえていましたので、それほど悩むことなく、2期目も満員となりました。

集客の作戦は、基本的に第1期とほぼ一緒です。そこに実績が加わるのですから、さらに集客はしやすくなります。第1期目が終わったくらいだと、イノベーター理論で言うイノベーター層はまだ脱していません。さらに「順番待ちリスト」を作って、満員以降は次の期を提案していたので、それほど集客に困ることはありませんでした。

第2期目以降は、さらに集客しやすくし、1ヶ月のプランも時期を見て提供しはじめました。このように、1度成功した集客方法はそのままに、さらに参加しやすくなるような作戦を、どんどん加えていきます。すると、期が進めば進むほど口コミも広がりますし、集客はしやすくなっていきます。

第2期を終了するあたりでは、もう値上げをしても集客できるようになっていました。少しずつ値上げしていくことによって、資金も増え、人を雇い、事業として成立するようになっていったのです。これ以降は、普通の企業と同じようにマーケティングができるようになります。

実績ゼロから集客する方法のまとめ

色々とお話して来ましたが、実績ゼロの状態から集客するポイントを、まとめていきましょう。まず実績ゼロの状態では、誰からの信頼もありませんし、そもそも誰も自分たちの事業を知りません。なので、ソーシャルネットワークや広告を使って、フォロワーを集めます。

ポイント1 . 
ソーシャルネットワークでフォロワーを集める。

フォロワーが集まってきたら、今度は情報発信をはじめます。いきなり自分たちの事業を発信するのではありません。将来、ユーザーになってくれそうな人たちとって役に立つ情報を発信していくのです。情報の発信により、少しずつ信頼感を持ってもらえるようになります。ツールはブログでも良いですし、SNSのタイムラインや、LINE公式アカウント、メルマガなどでも良いでしょう。顧客によってツールは使い分けると良いです。

ポイント2. 
最初から事業を発信するのではなく、まず有益な情報を提供し続け、信頼感を獲得する。

情報を発信したら、今度は見込み顧客育成のフローを作ります。僕のやり方では「AIDMA」に沿ってコンテンツを作り、順番に発信していきます。めんどくさがったり、工程を飛ばしたりしてはいけません。地道に見込み顧客の反応を見ながら、少しずつ商品を受け入れるマインドを育てていきます。流れが崩れたら、興味を持ってもらうことは難しくなります。先走って宣伝に走ってはいけません。見込み顧客がちゃんと興味をこちらに向けてくれているか、観察してください。

ポイント3. 
AIDMAに沿って、見込み顧客育成の流れを組む

情報発信がうまくいったら、今度はイベント、個別相談、交流会、勉強会などを開いて、顧客と会う機会を作ってください。直接、顧客と会うことによって、距離感が近くだけでなく、信頼感をさらに持ってもらえます。また、事業に対しての意見もどんどんもらい、集めた意見を参考にして事業の形を調整しましょう。価格は正しいのか、内容は求められているか、共感を得られるか、心を刺激して行動に促せるか、様々な角度から検証して、自分にとってではなく、顧客にとって求められる事業に調整しましょう。

ポイント4 :
会う機会を作って、信頼感を獲得しながら、事業の意見ももらう。事業はもらった意見を参考に、調整していく。特にイノベーター層を意識する。

会う機会を作り、事業も調整して、いよいよ事業スタートとなったら、意識するのはイノベーター層です。まず、イノベーターに受け入れられなければ話になりません。イノベーター層の特徴を抑えて、彼らにとって興味深い発信をしましょう。それは何かと言えば、ビジョンや新規性です。新しいものであり、新しい試みであり、ビジョンがあることを伝えましょう。そして実際に購入してもらう際は「心に響かせる」ことが「行動を促します」ので、なるべく何がいいかだけでなく「なぜやるか」を語りましょう。

ポイント5 :
イノベーターを意識して、ビジョンを語り、心を動かす。事業内容は当然、新規性や挑戦的であることを打ち出して、ファンになってもらう。

以上が、僕が実績ゼロの段階から100万円前後もするサービスを作り、満員にした方法です。こうして読んでみるだけだと難しいかもしれませんが、実際に自分でなんどもやってみると、体に方法が染み付きますし、なんどでも同じことができるようになります。

これから何か自分で事業を作ろうとしている方は、ぜひとも、今回の手段を学ぶだけではなく、自分自身で実践してみてください。実践を繰り返すことで、はじめて知識はスキルとして定着します。

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ウエヤマ ショウタ

WEB制作 ✕ 事業づくり学習サービス「STARTOUT」|事業づくり実践学習サービス「WAREHOUSE」|教えない学校、IT留学シェアハウス「WORKROOM」|以上3つ運営してます。近々、上記の成果を束ねて、クリエイターと起業家が生まれ、事業が生み出され続ける町を作る人。ベルリンのホルツマルクトはロールモデル。

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